米国Fobes誌において「Cloudian Taking Customers From NetApp In $24B Market:Cloudianは240億ドル市場でNetAppの顧客を獲得中」という記事が掲載されました。ここではその記事を日本語の抄訳でご紹介したいと思います。
原文はこちらをご覧ください。
Cloudian Taking Customers From NetApp In $24B Market
最もエリートな東海岸の3大学の優秀な卒業生への投資を探していたのなら、Michael Tsoと彼の最近のリード投資家Rick Shrotriよりもはるかに悪かったことでしょう。
彼らの企業、カリフォルニア州サンマテオに本社を置く分散ファイルシステムのCloudianは、Dell EMCとNetAppから顧客を獲得していると話しています。 NetAppの投資家は懸念すべきでしょうか? それには少々早すぎますが、Cloudianは大きな数社の顧客を獲得しており、それが続くとNetAppの投資家にとって問題になると考えています。
Cloudianは、データストレージ業界において、顧客には、いわゆる非構造化データの増加に対処する方法を提供しています。Cloudianは、ガートナーが「非構造化データの要件に対応するオブジェクトおよび/またはスケールアウトファイル技術」と定義する「ソフトウェアおよびハードウェアソリューションとしての分散ファイルシステムとオブジェクトストレージ」により実現しています。
この市場機会は大きいです。 IDCによれば、分散ファイルシステムとオブジェクトストレージは、2021年までに年間6%の年平均成長率(CAGR)で成長する240億ドルの市場です。Cloudianのコア技術となるオブジェクトストレージは、10% の年平均成長率で140億ドルの市場です。
このテクノロジーはすごい速さで大きくなると期待されています。ガートナーの2017年10月の分散ファイルシステムとオブジェクトストレージのマジック・クアドラントでは、「2021年までに、現在の30%から増加し、エンタープライズデータの80%以上がエンタープライズおよびクラウドデータセンターのスケールアウトストレージシステムに保存されるだろう」と予測しています。
Pitchbookによれば、Cloudianは2018年5月現在で2億4,010万ドルの資本を調達しており、社員は2011年の30人から2018年の150人と大幅に増加しました。 Tsoが4月27日のインタビューで説明したように、「過去3年間で顧客数は2倍、売上は3倍に成長しています」
Tsoは中国本土から香港に移り、高等学校でオーストラリアに移り、彼が応募した唯一の学校であるMITにおいて、電気工学とコンピュータサイエンスの2つの学士と電気工学の修士を併せて1993年に取得しました。
彼は多数の発明をしています。 Pitchbookによれば、「Tsoは36件の特許を保有しており、20年以上にわたり最先端の技術を追い続けています。Inktomiでは、TsoはEコマース検索エンジンのエンジニアリングを担当し、KDDIのネットワーク輻輳制御システムを設計しました。インテルでは、世界初のSMS着メロダウンロードサービスを可能にした、スマートメッセージングとも呼ばれるNarrowBandソケットの開発をリードしました。
Cloudianの製品はHyperStoreと呼ばれます。ガートナーによれば、このHyperStoreは「オープンソースのApache Cassandraを使用したオブジェクトストレージ製品であり、レノボと関係があり、またDell、Cisco、Quanta、Supermicroのサーバと互換性があるアプライアンスとしても、AmazonのAWS marketplaceから調達もできるソフトウェアとしても販売されています。」
Tsoは、進化するデータストレージのニーズを満たす優れた製品を開発できると考え、同社を創業しました。 「2011年、世界がクラウドに向かうなか、データはエッジで生成され、そこに留まることに気付きました。企業では拡張性と管理の容易さを望んでいます。世界中の10のデータセンターにある1,000サーバーにデータが分散されるにつれ、それはより困難な問題になるだろうと考えました。」
Cloudianは大きな成功を収めようとする一般的なアプローチをとりませんでした。その代わりに、Cloudianは「レファレンスとなる日本の電気通信事業者の顧客3社のために2年半を費やしました。その後、米国および欧州の顧客に焦点を当て、EMCとNetAppとの競合案件で9割勝利するに至っています。顧客が製品を試せば10割の勝率です。ニーズに対する的確なソリューションを標準に準拠し提供しているから勝つのです」と語っています。
2017年から、Cloudianはチャネルを通じた販売に注力し始めました。 Tso氏は次のように述べています。「製品のインストール、販売、使用方法を簡単にしています。そして、昨年には、既存顧客の再注文を扱うサードパーティのチャネルから収益の75%を得ました。」
しかし、2018年、Tsoは会社を迅速に拡大したいと考えていました。そして、Cloudianの成長目標を達成するのに十分な速さで営業要員を雇うことができませんでした。
その解決策は、別の素晴らしい卒業生、Digital Alpha Advisorsの役員で、WhartonとHarvard Business School のBaker Scholarの卒業生であるRick Shrotriがもたらしました。
2018年2月28日、Digital Alphaは、Cloudianの販売、マーケティング、エンジニアリング、および顧客サポート組織の拡大を支援するために、Cloudianに「開発資金2500万ドル」を提供しました。 Pitchbookによると、Cloudianの製品を購入する顧客に資金支援する1億ドルのクレジットも含まれていました。
Digital Alphaは、Cloudianに投資することを決定したのは、既存勢力に対する大きな勝利を高く評価したからです。 Shrotri氏は4月27日のインタビューで「デジタルインフラストラクチャは大きなチャンスです。Cloudianを評価するために6ヶ月を費やしました。世界最大のコングロマリット企業の1つが、IoTを管理するためにCloudianを選択しています。米国の大手メディア企業は、Cloudianをレガシーのビデオ保存に使用し、テレビ番組のビデオライブラリとの統合にたいへん満足していました」と述べています。
シスコの営業チームと提携しているDigital Alphaは、Cloudianにとって顧客との取引を完了する時間を短縮するのに役立ちます。 「Cloudianの技術は、バケットレベルでポリシーを設定するなど、他の誰もできないことを行うことができます。Digital Alphaが提供するユーティリティファイナンスは、Cloudianのアプライアンスとソフトウェアの購入リスクを軽減し、私たちは、Cloudianが人を多く雇うことなく成長することを可能にし、Cloudianの資本と運営費を顧客のために資金支援することを容易にします」とShrotri氏は述べています。
ガートナーの2017年マジック・クアドラントは、ニッチ・プレイヤーとして分類されCloudianに懸念を示しました。「同社はHyperStore は100%S3 API互換と誤った記述を続けている」としています。
Cloudianはマーケティングアプローチを変えました。 Cloudianによれば、「以前のマーケティングでは『100%S3互換性』を主張していましたが、このメッセージングは1年半前に止めています。その後もS3 API互換性に対する返金保証を続けていますが一度も実行されたことはありません。
Cloudianは、「より互換性があり、小規模に始め、簡単に拡張でき、より豊富な機能」があるので、Dell / EMCのIsilon製品とNetAppを凌駕しているとも述べています。確かにガートナーのPeer Insightのデータでは、CloudianがDell/EMCと直接競合した13案件では 11回勝ち、NetAppに対しては7回の対戦で7勝したことを示しています。
Morningstarによると、NetAppは過去5年間で年率2.4%の割合で縮小している55億ドルの企業です。Cloudianは、比べれば小さいですが、その急速の成長はNetAppを縮小させているトレンドに関係しているように見えます。