セキュリティの重要性が高まるにつれ、監視カメラが増えています。コンビニエンスストア、公共空間、道路交通など、あらゆるところでカメラが記録をしています。しかし、ビデオが増加すれば、ストレージ容量が必要になります。経済的なコストで必要な期間、ビデオを保管しておくためには、どうしたらよいのでしょうか。また、全てのビデオを保管したあと、特定のクリップを探し、読み出すにはどうすれば良いのでしょう?
監視カメラ映像保存におけるチャレンジ
このことは、南カリフォルニアにあるモンテベロ ・バス・ライン(MBL)が取り組んでいる課題でした。MBLは年間800万人が乗車する72台のバスを運営しており、それぞれのバスは5台のカメラと記録システムを備えています。すべてのビデオはバス内にローカルに記録されるだけです。このデータは、1日の終わりのある時点にオペレーションセンターに移行されるということになります。
同時に、MBLは手動でタイムコードをクリップに付けなければならず、そのことが、適切なタイミングで記録した出来事を更新し、見つけ、フォローアップすることを難しくしています。
さらに予算の問題もあります。MBLは、予算の制約から60日以上のビデオデータを保存することができませんでした。そのため、仮に60日以降に訴訟されたりすると財務的なリスクにも直面することになります。
オブジェクトストレージで解決
MBLはデータをローカルに保存することに加え、無線ネットワーク経由でのビデオのアップロードが必要でした。これにより、関係者は素早く映像を確認でき、データ喪失を防ぐバックアップの追加的な階層になります。
MBLは当初、Network Attached Sotrage(NAS)を使おうとしました。しかし、NASの場合、高性能システムはコスト高である一方、エントリー型システムは速さが充分ではないという問題がありました。また、ファイル構造は無線ネットワークを使った送信に適していませんでした。送信途中に回線断があると、再送信せざるを得ません。さらに、NASシステムはメタデータのタグ付けに制約があり、最も基本的な情報だけしか扱えませんでした。
Cloudianでビデオ映像をバックアップ
しかし、ここはCloudianの出番でした。Cloudian HyperStoreソフトウェア(ここでは、Lenovo DX8200Cアプライアンスを使いました)とTransportation Security Systems(TSS)IRISを使い、MBLはビデオにリアルタイムのタグ付けを可能にしました。メタデータ検索をすれば、時間、場所、車両等々のパラメータに基づき、ビデオの場所がすぐにわかるようになりました。
大きなクリップは送信される前に小さく分割されることで、無線データ送信の際の信頼性と成功率を高めています。加えて、オブジェクトストレージは、経済性が高く、さらに多くのビデオを保存できるよう、その規模を拡張することも簡単です。
モンテベロ市のITマネジャーであるDavid Tsuenは、次のように話しています。「CloudianとTSSは、とてもチャレンジングな問題を一緒に解決しました。市にとっては大きなコスト削減となり、乗客には安全な体験につながります。まさにWin-Winなのです」